パラグライダーの競技会

「パラグライダーに大会はあるのですか?」

パラグライダーの競技

と私はよく聞かれます。

私は「ありますよ、日本選手権や世界選手権もありますよ」

と答えます。すると大体の方は「滞空時間を競うのですか?」

若しくは「着地の精度を競うのですか?」と再び聞いてきます。

その反応は正しいと思います。

実際にそのような競技が行われてきたからです。

 ここではパラグライダーの競技の内容、時代によるその内容の変化を紹介します。

ターゲット

これは目標地点にいかに精度良く着地できるかを競う競技です。

パラグライダーの滑空性能が悪かった20年以上前には良く行われていました。

パラグライダーの滑空性能向上と共に行われなくなりましたが、現在は「アキュラシー」競技として復活し、日本選手権、世界選手権も行われています。

滑空性能の良いグライダーでは精度良く着地するのは難しい為、この競技では初級者用グライダーを使います。

日本選手権ともなると、目標地点から10センチ以内に着地するフライトを何本も続けないと上位に入賞することはできません。

デュアレーション

これは離陸してから着陸するまでの滞空時間の長さを競う競技です。

これも20年以上前には良く行われていましたが、現在は行われていません。

滞空することが難しい時代には競技として成り立っていましたが、現在のパラグライダーを使い、上昇気流の発生している条件でこの競技をやったら、いつまでも滞空するパラグライダーが続出することになり、競技にならないからです。

セットタイム

この競技は大会主催者側があらかじめ定めた滞空時間にいかに近い時間滞空するかを競う競技です。

デュアレーションをやってしまうといつまでも飛んでしまうため、滞空時間を定めたものと考えられますが、時間ぎりぎりまで飛んで、あと何秒というところで強引に降ろすパイロットが出てくるめ、やはり現在では行われていません。

しかし、ローカルな大会では安全ルールを定めて現在でも行われる場合があります。

上昇気流の条件と滞空時間の設定を考えて行う必要があるでしょう。

シークレットパイロン

これは大会主催者側が、文字などを記したパイロン(目標物)をフライト会場の数箇所にあらかじめ用意しておき、パイロットは競技フライト中にそのパイロンの上空まで飛行してその文字を読み取るという競技です。

フライト終了後に、どこのポイントに何の文字があったかを申告します。

遠くのパイロンは300点、近くのパイロンは100点などと設定される場合が多いです。

1回のフライトの中で多くのパイロンを正しく読めたパイロットが勝ちです。

上昇気流を上手く使わないと多くのパイロンは読めません。

この競技は今もローカルではやっても良いと思いますが、準備が大変なこと、高度が高いと文字が読めないこと、パラグライダーの飛行の範囲が広がったことなどから行われなくなりました。

ここまでに紹介した4つの競技は「セットタイム&ターゲット」「デュアレーション&ターゲット」「セットタイム&シークレットパイロン&ターゲット」のように、ターゲット競技と組み合わせて行われる事が多く、パラグライダーにとって「いかに安全に精度良く着地するか」は大切な部分ということが伺えます。

時代と共に行われなくなったターゲット競技がアキュラシー競技として復活した理由もそのへんにあるのではないでしょうか。

ここからは現在行われているパラグライダー競技の内容を紹介します。

パイロンレース

パラグライダーの競技

現在行われているパラグライダーの競技は、ほとんどこのパイロンレースです。

これはその日の気象条件に合わせて設定されたいくつかのパイロン(目標地点)を決められた順番どおりにできるだけ速く周り、ゴールするという競技です。

上昇気流の条件がよければ50kmから70km、条件があまり良くなくても20kmから30kmの距離のレースとなります。

トップクラスは50kmの距離を2時間を切るタイムでフライトします。平均時速25km以上出ているわけです。

上昇している時間も含めてですので、直線滑空している時は時速50kmは出ているでしょう。

競技用グライダーだからなせる業です。

パイロンに行ってきたかどうかは、パイロットが装備しているGPSで判断します。

あらかじめスタート前に地上でGPSにパイロンの座標と飛行コース(タスク)のルートを入力しておきます。

パイロン上空に到達するとGPSがパイロンに到達したことを教えてくれるのです。

そして次に向かうべきパイロンまでの距離や方向を教えてくれるのです。

要はGPSのナビゲーション通りにゴールまでフライトできればOKというわけです。

言葉で言うと簡単そうですが、効率よく上昇気流を捕らえて素早く上昇し、効率の良いコース取りでパイロン間を移動し、何十kmにも及ぶタスクをゴールするには、経験と判断力が必要になります。

刻々と変化する飛行空域全体の風をフライト中にイメージして、その都度適切な判断をしなければなかなかゴールにはたどり着けません。

そしてゴールした選手の中でもスタートからの時間が短い選手が上位に来るわけです。

ゴールできなかった場合には飛行したポイントまでの距離得点が与えられます。

パイロンレースのスタートの方式は2種類あります。

 
パラグライダーの競技

一つは「エラップスタイムレーストゥゴール」といって、一人一人のスタートの時刻が異なります。

自分の好きなタイミングでスタートを切ることができますが、早くスタートして早くゴールした選手に高得点が与えられます。

もう一つは「レーストゥゴール」といい、すべての選手が同時刻にスタートとなります。

この場合、先にゴールに帰ってきた選手の勝ちとなります。

簡単に言えば運動会の「よーいドン!」と同じです。

 いずれの場合もスタートはすべて空中からのスタートとなります。

「エラップスタイムレース」の場合、あらかじめ設定された空域に入った時刻、若しくは空域から出た時刻がスタート時刻となります。

「レース」の場合は決められたスタート時刻に全員の時計が回り始めますので、スタート時刻までには、できるだけスタートの空域に近い場所、且つできるだけ高い高度で待機する必要があります。

スタート時刻を過ぎれば、まだスタートを切れていない選手がいたとしても全員同じ時刻からのスタートとなります。

スタートの時刻もパイロンの通過確認もゴールの時刻も
選手のGPSに記録されたデータで計測します。

競技用パラグライダー

以前に比べて大変便利になったと共に、参加選手も安全に競技フライトを行える様になりました。

パイロンレースにGPSを使用する以前には、選手はカメラを持ち、パイロン通過の証明として、上空からパイロンを撮影しなければなりませんでした。これが結構難しいのです。

そしてフライト後には自分で撮影したフィルムを現像していました。現像に失敗すれば終わりです。0点です。

 ゴールする場合もゴール役員にゼッケンナンバーが見えるように低くゴールしなければならず、高度があまった場合などは強引に高度を落としていました。

GPSの登場で大会役員の負担も減り、選手はフライトに集中できる様になったのです。

現在日本国内では多くの大会が開催されています。

パラグライダーの競技

ローカルな大会から世界選手権を目指す本格的な大会まで様々ですが、大会に参加すると、普段のホームエリアでは味わえない楽しさがあります。

多くの選手と共に協力し合ってフライトすると、普段では考えられない距離を飛べたりします。

普段味わえない景色を見ることもできます。

フライヤー同士の交流もあります。

 そして何より、「どうすればゴールできるのだろう?」と常に考えながらフライトすることによって自信の経験や判断力に磨きがかかるのです。

自分より優れたパイロットと飛ぶことにより学習することができるのです。

大会というと敷居が高く感じられるパイロットも多いと思いますが、経験が少ないパイロットのクラス分けもありますので、気軽に参加できるようになっています。

今よりもっとパラグライダーを楽しみたい方、もっとパラグライダーが上達したい方は大会に参加してみてはいかがでしょうか?

日本パラグライダー協会公認校 TOP FIELD トップフィールドぐんま 群馬県沼田市白沢町生枝661-1 関越自動車道の沼田インター約10分 電話番号:0278-20-9006 ネットで予約&問い合わせ